すごくアニメ化したい原作がある。コミックビームで連載している朝倉世界一先生の「デボネア・ドライブ」である。
やっぱりヒトって『やさしい』のだ。
現代、これほどあたりまえの言葉をあたりまえに言える若者は、日本にどれだけいるであろう。「デボネア・ドライブ」(エンターブレイン刊)は人のやさしさについて、現代の若者の繊細な思考回路と絶妙なコミカルな会話の呼吸で、それをいとも自然にあたりまえのこととして描かれているような気がする。なにより品が良い。きっとこの品の良さは作者である朝倉先生から来るのかなぁ。
移動入浴サービスをしているエチゼン君と中年のモモヤマさんの2人が、かなり年代モノの国産車デボネアを走らせているところから物語は始まり、そのデボネアに正体不明のマリちゃんや暴力団の会長が加わり、成り行きで津軽を目指すことになるというストーリー。
いつくしみや気遣いまでが、その意味を問われるようになってしまったこのメンドーでシンケイ症でフクザツな時代に、エチゼンたちのやさしさは、押し付けでもなく、同情でもなく、見る人を自然体でやさしく包んでくれるような気がする。
こんなホットミルクのようなさりげなくやさしい作品が、疲れて家に帰ってきたときとかTVで見てみたいなぁ。ああ、僕もデボネアに乗って津軽へ行ってしまいたい。
